ぷれいふるピアノ&音楽療法スタジオの理念と想い

ぷれいふるピアノ&音楽療法スタジオは、音楽を通じて3つの「つながる力」を育みます。

  • 本来の自分らしさを肯定し素直に表現することができる(自分とつながる)
  • 自分らしさを大切にしながら周囲の人々と協同することができる(人とつながる)
  • 人と協同・協働しながら、自分も周囲も幸せな社会を創造する(社会とつながる)

音楽は「つながる力」を促す最適なツール

私たちは音楽が、「自分」「人」「社会」とのつながりを促すために最適なツールであると考えています。

なぜなら音楽は、人の五感や心身の状態に何らかの刺激をあたえ、そこには少なからず感情の動きがともない、感情が動く場面では同時に共鳴や反発が生まれ、自分の内面や他者との関係性に刺激が加わるからです。

そしてこの刺激を自分の中でしっかりと感じ、自己成長へとつなげることで「自分」「人」「社会」とのつながりをより建設的に創造して行く力が備わるのではないかと考えています。

以下では、「自分」「人」「社会」と音楽がどのようにつながりを持つのかについて、想定される場面と、それを促すために当スタジオが大切にしていることについてお伝えします。

「自分とつながる」

音楽を通じて自分とつながることができる場面は次のようなものが考えられます。

  • 自分の好きな曲やアーティストの表現がまさに自分の気持ちをあらわしていて、それによってあらためて自分の考えや感じ方を深く知ることができた。
  • 自分で演奏する場合に、どんな曲を演奏するか、その曲をどのように表現したいかなど自己対話を繰り返す。
  • 自分の中にある音のイメージを実際の音ととして表現するために、試行錯誤したり自主的な努力をする。

このように音楽と積極的にかかわり続けていると、自分の内面と向き合う=自分とつながる体験がたくさん起こります。

そして、このような体験をした時に、成功も失敗も、好きも嫌いも、自分が感じたことや考えたことを否定せずに、自分の中にあるいろいろな思考や感情を見つめ「これも今の自分だ」とありのまま肯定して受け止めることが、とても大切なことであると考えています。

子どもたちの社会もさまざまで、自分を否定したり押しこめたり、ストレスフルな環境に置かれていることが多いですが、音楽の中だけは本来の自分らしさを大切にすることが何より大切であることを伝え続け、ひとりひとりに寄り添ってサポートして行きたいと考えています。

「人とつながる」

音楽を通じて人とつながることができる場面は次のようなものが考えられます。

  • 自分の好きな曲がある場合、その曲を作った人や、自分と同じくその曲を好きな人との間に共感が起きている。
  • 自分で演奏する際、誰かに聞いてもらう機会があれば、その演奏が相手に何らかの影響をあたえている。
  • 誰かと一緒に演奏する場合、音楽による共感と非言語コミュニケーションが相手との間で起きている。

このように音楽を聞いたり演奏することは、言語、非言語にかかわらず人とのコミュニケーション=人とつながることと直結しています。

この時に大切なのは、自分を偽らず自分らしさを大切にしつつ、相手のことも尊重する姿勢だと考えています。

自分勝手な音楽表現では人は聞いてくれないし、一緒に演奏したいと思ってくれないかも知れません。

だからと言って相手に気を使って自分らしさを押し込めてしまえば音楽による心の共感は起こりません。

人と人とのコミュニケーションの問題点やむずかしさが、音楽においては特に顕著に現れるわけです。

でも音楽をツールとしているので、うまくいかない点は練習によって改善することができます。

人に喜んで聞いてもらえる演奏や、誰かと一緒に楽しく気持ちよく演奏するという目的に向かって、自分も相手も大切にしながら進めて行くことができます。

このように、人と人との心のつながりを感じられるような体験の場を作っていきたいと考えています。

「社会とつながる」

音楽を通じて社会とつながることができる場面として、コミュニティーが生まれるということがあげられます。

音楽を演奏する人、観客として聞く人、音楽のイベントなどを運営する人など、音楽という共通の興味から発生する大小さまざまなコミュニティーです。

このようなコミュニティーを、当スタジオでは「音楽プロジェクト」として積極的に仕掛けて行きたいと考えています。

このプロジェクトは子どもたち主体で行い、子どもたちの「音楽+α」の興味関心から進めて行きます。

+αの部分は、スタジオ内でできるちょっとした季節ごとのパーティ企画かも知れないし、地域の面白そうなイベントに参加することかも知れません。

また、地域の課題解決のプロジェクトを行うことなどもあるかも知れません。

それらを子ども主体で進めるなど、とても大それたことのように感じるかも知れませんが、音楽を通じて自分とつながり、人とつながるスキルを身につけた子どもたちなら可能だと私たちは信じています。

失敗することもあるかも知れませんが、それも大切な体験として振り返り、分析し、次に活かすというプロジェクトになります。

さまざまなプロジェクトの体験によって子どもたちには、音楽で培った力の延長線上に、自分たちの望む社会を創造することができるという無限の可能性を感じてもらいたいと、私たちは強く願っています。

また、当スタジオは、障がいのある人も、ない人も、生活の中でストレスや生きづらさを抱えている人も、すべての人が個性や特性のある1人の人として、公平に、ていねいに扱われるインクルーシブな学びの場を目指しています。

日常でのお困りごとがある方や、通常の音楽教室にはなかなか通いづらいと感じている方も、ぜひ遠慮なくご相談ください。

このスタジオが目指す子どもたちの小さなインクルーシブ社会が、やがて世界のあたりまえとなることを願っています。

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